離婚を検討している人で、以下のような考えを持ったことはありませんか?
・不動産の価値が知りたいけど、どこに依頼すればよいかわからない
離婚時に財産分与の対象となることが多い不動産ですが、預貯金や保険、株式といった財産と異なり価値を測ることが難しいため、トラブルに発展することはよくあります。
トラブルを回避して円満に離婚するためにも、不動産の査定は非常に重要になってきます。
しかし、不動産査定方法には様々な方法が存在します。
その中でも「離婚による財産分与」に適した不動産査定方法とは何なのでしょうか。
この記事では、不動産のプロが離婚の財産分与における査定方法を紹介していきます。
不動産業者の無料査定を使うのはあり?
離婚をする際、財産が分与されます。不動産があれば、多くの場合は財産分与の対象となるでしょう。
分与する際に現金にしたほうがわけやすいという理由から、不動産売却が行われがちです。
不動産の財産分与は、公平に5:5の割合でお互いに半々で分け合うのが一般的です。
その際、問題となるのは自分の不動産の価値です。不動産の適正価格を把握するのは、一般人には非常に難しいことです。
不動産の価値を見誤ってしまうともう大変。5:5の割合でキチンと分与したとしても、公平だとは言えません。
あとあとでトラブルになること間違いなしです。
どうすれば、精度の高い不動産の価値の算出ができるでしょうか?真っ先に思いつくのは、不動産会社に無料査定をしてもらうことです。
離婚による財産分与のための不動産査定の場合、一社での査定ではすみません。
お互いに別々の不動産会社に依頼して、無料査定をしてもらうのです。そうして算出された不動産査定額の平均値をとって、不動産価値を出します。
しかしこの方法は安易すぎます。
実はやってはいけない方法なのです。
不動産会社の無料査定を活用する方法が良いと当人に説明する弁護士も確かにいます。
なぜ、不動産会社に査定させるべきなのかと弁護士に理由を聞くと、無料だからと答える人が多いでしょう。
なるべく費用は押さえたいという当人の気持ちを反映させたのでしょうが、これでは公平な分与はできません。
つまり不動産会社に無料で査定させるだけでは、正確な査定額を算出することはできないのです。
なぜ不動産業者の査定ではダメなのか
離婚の財産分与において不動産業者の査定が好ましくない理由は二つあります。
離婚の財産分与において不動産業者の査定が好ましくない理由
- 公平に不動産の財産分与をするため
- 税金周りでのトラブルを防ぐため
公平に不動産の財産分与をするため
公平に不動産の財産分与をするためには、正確な査定を受ける必要があります。
しかし、不動産業者の売却査定では、正確な査定を受けることは難しくなります。
そもそも不動産業者は「不動産を仲介する専門家」であって、不動産の「評価や査定をする専門家」ではありません。
そのため、不動産業者が出す無料査定額は、依頼者の気持ちを汲み取った査定額となる場合が多いです。
つまりは夫婦が満足いきそうな金額を提示しているだけで、本当の価値を算出しているわけではないのです。
査定書の価格は相場や不動産そのものが持つ価値価格と大きく乖離することも少なくありません。
これでは、公平な財産分与をすることができません。
税金周りでのトラブルを防ぐため
また、税金周りでのトラブルを防ぐためにも不動産査定は必要になってきます。
離婚後に不動産を売却する場合、不動産を譲った側に譲渡所得税が課されることがあります。
不動産売却価格に応じて税金も変わるため、税金を多めに払ってしまったり、あるいは少なめに払ってしまったりする危険があるのです。
離婚後に税金周りでトラブルが起きるのは何としてでも避けたいでしょう。
査定額と本来の価値価格の乖離を防ぐために、不動産は正確な査定が必要です。
ある夫婦の失敗事例
ある事例をだしましょう。築年数6年の都市郊外の不動産をもつご夫婦が離婚をすることになり、不動産売却を決意しました。弁護士に不動産会社への査定をオススメされたので、素直に従うことに。
それぞれ別の不動産会社に依頼して出てきた査定額は、とんでもない金額差があったのです。どうやら奥様に依頼された不動産会社は切迫した奥様の様子を見て、相場よりも圧倒的に高い査定額を提示していた様子。
新築時の購入金額よりも高いというとでもない査定額になっていました。旦那さんの方の査定額と乖離が出るのは当然と言えば当然です。
なぜ、このような事例が起こるのでしょうか。やはり不動産会社にとって査定はあくまでもツールだからです。不動産の売却依頼を受けるためだけにやっているので、正確な金額になりようがありません。だからこそ無料なのです。
離婚に伴う財産分与にて不動産査定をするなら、公正かつ厳格な方法で査定しなければなりません。
費用が無料だからと言って、不動産業者の無料査定に頼るのは危険です。
多くの財産を分与したいという本来の目的を見誤ることになるでしょう。
財産分与のための査定なら鑑定士へ
離婚の際に行う不動産査定には、不動産鑑定士による不動産鑑定評価がもっとも適しています。
不動産業者の査定に対して、鑑定士が行う不動産査定は質が違います。
国家資格である「不動産鑑定士」の知識を活用して、法的効力のある精度の高い査定を行っているのです。
法律で定められた査定評価の手順を遵守しつつ査定額を出すため、不動産業者の査定額との精度も桁違い。
作成される査定書には多くの関連資料も添付され、裁判所や税務署など公的機関にも提出することができます。
離婚における不動産査定にここまで適している方法は、ほかにないでしょう。
金額は20〜30万円ほどかかりますが、絶対に間違いない不動産査定額を算出できます。
後悔ない財産分与を行えるはずです。
ここまで離婚の財産分与では不動産鑑定士による査定が好ましいと説明してきました。
しかし、実際に不動産を売るとなった際は、不動産鑑定士による査定のあとに無料の一括査定サービスを利用することがオススメです。
不動産会社による査定価格は正確ではないため、離婚時に無料の一括査定サービスを信頼することはできませんが、良い不動産会社を選ぶ指標にはなります。
複数の不動産会社から査定をとって、不動産会社の強みや意気込みを比較検討するのが鉄則です。
不動産鑑定士による査定を基準にしたうえで、一括査定サービスで良い不動産会社を見つけましょう。
不動産を高く売るなら不動産一括査定は欠かせない
不動産を高くスムーズに売りたい!
そう考えるなら2つのポイントがあります。
- あなたの不動産に強い会社を見つけること
- あなたと相性の良い不動産会社を見つけること
2つ書きましたが、まとめると「信頼できる不動産会社を見つけること」。
ただ、信頼できる不動産会社と言われても、探せられないですよね…
そんな時に便利になるのが不動産一括査定サイトです。
不動産一括査定サイト(サービス)を利用すると、あなたの売りたいと思っている不動産情報と個人情報を入れるだけで、適切な不動産会社を自動的にマッチングし、複数の不動産会社へ一度に査定依頼が行えます。
不動産一括査定を選ぶ3つの基準とオススメの使い方
筆者が考える不動産一括査定のオススメランキングをお伝えします。
不動産一括査定も様々ありますが、やはり家やマンション、土地は高額になりますので、より得意としている会社を見つけたいですよね。
サイトを選ぶ基準としては下記3つ。
不動産一括査定を選ぶときの3つの基準
- 大手不動産会社に最低でも1社は査定が行えること
- 中堅や地域密着の不動産会社にも査定が行えること
- 不動産一括査定の運営会社がしっかりしていること
ポイントは、大手から地域密着の不動産会社まで幅広く依頼をすること。
大手は取引実績が豊富な分、やっぱり売却力があります。
ただし、お客さんをたくさん抱えているため、仕事のやり方がマニュアル通りといった感じ。
逆に中堅や中小・地域密着の不動産会社は社長自らが対応してくれたりします。
不動産一括査定を1つだけ使っても、大手不動産会社が見つからなかったり、逆に大手のみしか依頼できない場合が多々あります。
筆者としては、不動産は高額商品になるので、時間が掛かっても複数の不動産一括査定を使って、大手、中堅、地域密着の不動産会社それぞれに依頼することをオススメしています。
【結論】不動産一括査定のかしこい使い方
東京・神奈川・千葉・埼玉・大阪・兵庫・京都・奈良の方は3サイトを併用する県庁所在地などの人口が多い都市は2サイトを併用する
地方や田舎などの人口が少ない市町村は3サイトを併用する
収益・投資用物件に強い会社が多数見つかる3サイトを併用する
まとめ
離婚における財産分与でつかえる不動産査定について紹介させて頂きました。
しっかりとした金額をだしたいなら、不動産鑑定士を使うべきだということを理解いただけたと思います。
今後不動産査定をする際は、今回ご紹介した情報をぜひご参考ください。